2017年7月 8日

オープンして4年

オープンして4年

6月は通常、梅雨や祝日が無いことなどが影響してか、閑散期である。5月のゴールデンウィークが終わったころから7月の海の日の前まで。およそ2ヶ月間くらい、暇な時期が続く。例年このお客さんが少ないタイミングで、たまの長期休暇をとったり、メンテナンスに充てたりしている。今年も例に漏れずで、4日ほど休み、長野への研修旅行と南京虫対策。南京虫とはどういうものかはググってもらえば早いのだけど、宿泊施設にとっての大敵で、うちはいつも夏が来る前に全館で対策をしている。
そんな6月も前半は梅雨らしくない晴れが続きそれに釣られてか、お客さんがそれなりに多く踏ん張った印象だった。宿、というのはベッドの数は毎日増えたりしない。なので売上の最高値は既に確定している。繁忙期に取りこぼさないことも大事だが、前述の理由より閑散期にお客さんを増やすことが、売上を伸ばす近道だ。その、閑散期である6月に売上を落とさず、そこそこを維持したのは喜ばしいことだ。

しかし空梅雨のような日々はやがて終わり、雨の日が増えてきた。最近は、雷が鳴るほどの大雨や、うだるような暑さ(大量の湿気を含んだ)が交互にやってくる。掃除をしていても汗が吹き出してくる。今年はツバメが2度、軒下に営巣した。もうそろそろ2度めの巣立ち。

そんな感じでとりいくぐるは、静かに4周年を迎えた。

台湾へのLCC便が岡山空港から発着するようになり、台湾からのお客さんが飛躍的に増えた。よく働いてくれる2人のスタッフたちは、台湾語を勉強し始めたり、壊れたままだったソファを修理し始めたり、とても逞しい。芝が禿げ上がっていた中庭は、とてもかわいらしい花を付ける植物が侵食し、さながら花畑のよう。館内の備品は、傷みが目立つものも多く、順次取り替えられている。
商店街には、姉妹店的な位置づけである「ラウンジカド」が昨秋オープンし、新しい人の流れを作った。だが入れ替わるように、3軒となりの魚屋さんが、その象徴的な建物もろとも、取り壊された。今は空き地がガランと広がっている。
そして昨年末で、長らく二人でやってきた野口さんが退社した。そこから半年。4周年の感慨よりも、この半年大きなトラブルなくやってこれたことへの気持ちの方が大きいかもしれない。
予約サイトのレビューではたまに厳しい指摘をいただくし、劇的に格好良く更新するほど体力も金銭的余裕も無い。立地も変わらない、どう考えたって岡山駅から15分近く歩かねばならない。だけど大丈夫。お客さんはみなさんだいたい素敵だし、面白い。近所の人も優しい。提出書類の期限が過ぎても、役所の人は優しいので大丈夫。だいたい大丈夫。

4年もゲストハウスを運営していると、次々に格好良い後輩のゲストハウスが誕生して、なんだか徐々に中堅どころに足を突っ込み始めてるんだなと怖さも感じる。それでもまだまだ未熟だし、分からないことばかりだし、日々反省だし、終わらない毎日だし。それでも何とか、どうにかこうにかやってこれたのは、色んな方の力添えの賜物。ありがとうございます、の言葉あるのみ。

これからもこのゲストハウスが、5年、6年と続けていけるよう、精進いたします。よろしくお願いいたします。