2014年7月アーカイブ
2014年7月22日
梅雨明けと常連のM氏のことと少しの宣伝
三連休が始まる前の金曜日、当日予約の電話が何本かあり、暇だ暇だと文句たれていたが結果的におおかたベッドが埋まり、本格的な夏の到来を予感させた。翌日もその翌日もいずれも当日予約の電話によってまずまずの客入りがあり、三連休は夏の賑わいを見せたのであった。そういえば日曜日はバケツをひっくり返したような、ではまだ甘い例えに思えるほどゲリラ豪雨が昼ごろやってきて、30分ほど奉還町を襲った後に一気にカーンと晴れ、これにて岡山はめでたく梅雨明け。おめでとう。梅雨の残り雨がお客さんをもたらしたようだった。
ゲリラ豪雨がとりいくぐるのラウンジに襲来し、中庭を池のように変えてしまっていた頃、僕(明石)はとりいくぐるからほど近い、やっちというスペースで上映会の準備をしていた。詳しい説明はここでは省かせてもらうけれども、明石はとりいくぐる以外に『やっち』という場所の運営にも参加していて、前回の記事にもある通り、西尾孔志監督の映画『ソウル・フラワー・トレイン』の上映会なんかを企画したりしている。その映画をゲリラ豪雨が今にも止まんとするとき上映会は始まり、ちょうど雨の止み間を突く格好で、とりいくぐるラウンジの常連のM氏も遊びに来てくれた。彼はアメリカ人であるのに大変に日本語が堪能で、英語字幕なしで映画を鑑賞し、さらに今回の作品と小津安二郎の『東京物語』との共通点を幾つか指摘してくれ、とても場を盛り上げてくれた。その帰り、彼はとりいくぐるにも寄ってくれたらしい。そこで上映会・夜の部のトークショー参加のために岡山入りしてくださっていた西尾監督とラウンジでばったり遭遇、そして映画の感想、質問を監督に伝えることができたそうだ。M氏も感動した旨をFacebookで表明していたし、監督もまたとてもこのちょっとした事件を喜んでくださっているようだった。僕自身も、この一連のことはとてもいいできごとに思えた。
前回、ブログ記事で乱立するイベント企画を書き連ねながら、一瞬、イベントをする意義のようなものを見失いそうになっていた。けれども、このM氏や、さらにまた別の友人から映画の感想を聞くにつけ、少しの充足感を僕にもたらしたし、次回以降のイベントも頑張るぞという気持ちになるのだから、おもしろい。
ということで今週末26日と27日にはNAWATEの一周年のお祭り、『なわての小さな夏祭り~シゴトとセイカツとワタシ~』。
さらに27日夜には『たゆたう"3rdアルバム「舟に泳ぐ」リリースツアー@岡山』が。
8月は『「断層紀」 上映&波田野州平監督トーク』。
みなさま、これからもよろしくお願いします。ね。
2014年7月19日
『なわての小さな夏祭り』限定宿泊プラン
7月26日(土)と27日(日)の2日間限定で、とりいくぐるの男女混成ドミトリー/女性専用ドミトリーが1泊1,980円になります。2日間に渡って開催される『なわての小さな夏祭り』をより楽しんでもらえる、1周年記念プランです。
※本日より、7月25日(金)18時までにとりいくぐるホームページの予約フォームよりいただいたご予約にのみ適用となります。
※2日間、日中はゲストハウスの一部も『なわての小さな夏祭り』の会場となるため、リビングスペースやキッチンを通常通りお使いいただけません。ドミトリーやシャワールームは通常通りご利用いただけます。
※『なわての小さな夏祭り』の詳細については、以下よりご確認ください。
http://bit.ly/nawatematsuri
(野口)
2014年7月16日
7月、イベントのこと
今朝は蝉の鳴き声で目が覚めた。本格的に夏が来たということか。
ここ最近の僕は、日本の夏特有の湿り気を帯びた暑さに参っていて、それは海外からのゲストも例外ではないらしい。そりゃあの大きなバックパックを持って日本中を回っているんだもの、仕方ない。先日も預かったバックパックを上に運ぼうと背負ってみると、声にならない声を漏らして気張らないと背負えないほどの重さだった。そんな彼らはチェックインするやいなやシャワーを浴び、エアコンのきいた部屋で早々に眠りについたようだった。
夏、夏と聞いて皆さんはワクワクするのだろうか。サッカーのお祭りも終わり、夏の日差しに、これから来るであろううたかたの日々にソワソワしているのではないか。
そんな皆さんを見越して、僕らはたくさんイベントを企画した。企画したはいいが、どれもなかなか集客に手を焼いているのが正直なところで、これはどうしたものかと頭をもたげている。この時期ってどのイベンターさんも同じように悩まれておられるのだろうか。集客が思うように伸びない僕の仮説の一つは、この時期はビアガーデンや野外フェス、海水浴、キャンプといった夏らしい(とても一般的で習慣的な)イベントがあまた存在し、我々のライバルとして屈強に立ちはだかっているからなのではないか、というもの。この説は割りといい線を行っているんじゃないか、なにせ当の僕もフェスやビアガーデンに行ったりしたい。とにもかくにも夏は手強いイベントが多い中、僕らも負けじと素晴らしいイベントを企画している。
ということで、しつこいようだがしばし宣伝にお付き合いいただきたい。
その1.『なわての小さな夏祭り ~シゴトとセイカツとワタシ~』
我がゲストハウスの入居するNAWATEが1周年を迎えたよ、というお祭り。言うまでもなくサブタイトルは平松愛理の名曲からインスパイアされたものなのだけど、中身はもっとリアリスティック。
ゲストハウスという性質上、全国から色んな人がやってくる。年齢も国籍も、岡山に来た目的も皆ばらばらで、もちろん仕事も様々である。そんな方たちの話を聞くことは、進路に悩んでいる人たちにとって実は大変貴重な体験なのではないか、というところを発端にこのお祭りはコーディネートされた。このお祭りを通して、仕事や生活の工夫、技術のヒントが垣間見えればいい、とそんなことを期待している。
詳細
トークショー予約フォーム
その2.『たゆたう"3rdアルバム「舟に泳ぐ」リリースツアー@岡山』
夏祭りでも登場する『たゆたう』は、27日に近所のKAMIORI KAORI ATELIER+BOUTIQUE+CAFEにて、3rdアルバムリリースライブを行います。企画は、NAWATEに入居するイワサキケイコキカクさん。3rdアルバム『舟に泳ぐ』はとりいくぐるでもパワープッシュしているので、気になった方はぜひ。
詳細
たゆたう/舟に泳ぐ
その3.『ソウル・フラワー・トレイン』 上映&監督トーク/『断層紀』 上映&波田野州平監督トーク
そして最後に映画の上映会を2つ。7月20日、21日には、ロビン西原作、西尾孔志監督作の『ソウル・フラワー・トレイン』が。8月2日、3日には波田野州平監督の『断層紀』の上映会が、とりいくぐるからも程近いやっちにて行なわれます。どちらの会にも監督がいらっしゃり、貴重な話を聞きつつ作品も楽しめる贅沢な会になっています。
また8月の『断層紀』に関しては、とりいくぐるの野口も出演します。そのことは前回の記事にも書かれています。
ソウル・フラワー・トレイン
断層紀
やっち/路地と暮らし社
2014年7月15日
『断層紀』上映会のご案内
8月2日(土)と3日(日)の2日間、岡山市奉還町「やっち」にて波田野州平監督作品『断層紀』の上映会が開催され、初回上映後のトークセッションに野口が出演します。また、各回の上映後には様々なゲストとのトークや、波田野監督の音楽作品の上映もあります。ぜひお越し下さい。
また、今回の上映会のチケットはやっちだけでなく、とりいくぐるでも取り扱っております。
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『断層紀』 上映&波田野州平監督トーク
8/2(土)
16:00~ 上映後トーク
波田野州平×野口明生(とりいくぐる)
19:00~ 上映後、監督トーク
波田野州平×横山千秋(路地と暮らし社)
『音楽を撮る/映画を撮る』
8/3(日)
15:00~ 上映後、監督トーク
波田野州平×ギサブキリコ(よるのふね)
18:00~ 上映前、監督トーク
波田野州平×島村敏明 (studio LIGHTS)
『表現の場をつくる -ギャラリーセプチマをめぐって』
料金:前売1000円 / 当日1200円 (+1オーダー)
※席数に限りがありますので可能な限りご予約の上ご来場ください。
お問合わせ先: yatch@rojitokurashi.com / 086-250-7297(路地と暮らし社)
初長編映画『TRAIL』がユーロスペースや第七藝術劇場で公開され、その後も各地で上映を続ける映画作家、波田野州平が秋田県大館市にてアーティスト・イン・レジデンスで制作した新作『断層紀』をやっちで上映いたします。
各回上映後にゲストを招いての監督トークイベントがあります。
※2日(土)19:00の上映後は、波田野監督が撮影/編集されたGofish Trioやyumboのライブ映像の上映もあります。
ストーリー
私の祖父、波田野源一郎はある日突然姿を消した。そして私は残された物のひとつ、ひかり輝く鉱石に魅せられ、祖父が産まれた鉱山の町をはじめて訪れた。そこで見聞きした死にまつわる数々の伝承。死産した子供を遺棄した沢、お盆の夜に墓地で行われる弔いの踊り。やがて私は15歳の中学生ユキと出会う。彼女はカメラを使って日記をつけていた。家庭や学校での不安、将来への渇望を日記に残すユキとの交流を機に、私は「残す/残る」ということに思考を巡らしはじめる。今すぐこの町から出たいと願うユキと、この町の過去を執拗にあばこうとする私。時の断層から呼ぶ声に導かれるままに、秋田北部を巡った紀行映画。
監督・脚本・撮影・編集:波田野州平
出演:高橋幸来/篠村三之丞/波田野州平
音楽:三富栄治/清岡秀哉
製作年:2013年 / 上映時間:60分
監督プロフィール
波田野州平(はたのしゅうへい)。1980年9月6日生まれ。東京都在住/鳥取県出身。
洋邦ミュージシャンのライブ撮影を数多く行い、Night Peopleシリーズとしてwebにて次々と発表。
Jad Fair&Tenniscoatsの日本ツアーを記録した音楽ドキュメンタリー「Enjoy Your Life」が全国を巡回上映。
初の長編劇映画「TRAIL」が渋谷ユーロスペースを皮切りに、大阪第七藝術劇場など全国の劇場を巡回上映。
最新作は秋田県大館市にてアーティスト・イン・レジデンスで制作した『断層紀』。
東京・立川でギャラリー・セプチマというアートスペースを運営している。
ギャラリーセプチマ http://galleryseptimablog.blogspot.jp/
企画:波田野州平×やっち(合同会社路地と暮らし社)
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(野口)
2014年7月 8日
エンジョイ・アワー・フリータイム
今からちょうど1年前、7月6日、僕らのゲストハウスはオープンした。2階のフローリングはまだ傷ひとつ無く、窓ガラスはどれもピカピカに透き通っていたし、中庭はまだ端っこまで芝生は緑色だった。かくいう僕らはというと準備に疲れてしまってヘトヘトになっていた。疲労困ぱいのまま、しかもほとんどゲストハウスだとか自営というものに対してズブの素人だった僕らが、今日までこうしてなんとか生き延びることができたのは、ひとえにみなさまのおかげで、ありがとうございましたでは言い尽くせないほどだ。
最近になってようやく、というか少し落ち着くことができて、地に足の着いて物事に対処できるようになった。
そういえば先週の土曜日、とりいくぐるのある奉還町一帯では、土曜夜市というお祭りがあった。そのお祭りは7月の毎週土曜日に催される夏祭りで、近所の小学生くらいの子たちは、みな浴衣や甚平を着て嬉しそうにうちの前を走り去って夏祭りへと向かう。商店街あげての一大イベント、本当に賑やかなお祭りで、うちからは野口さんが当番として焼き鳥を屋台で焼いた(90分で1000本も焼いたそう)。一方僕はとりいくぐるで留守番で、その日宿泊した台湾の女の子2人組から、野口さんが夜店でチキンBBQを頑張ってたよ!と教えてくれた(彼女たちは野口さんのことをstaffではなく、「your friend」と呼んでいた)。
1年前のオープン日もちょうど土曜日だったので、多分その夜と同じように小学生たちが、うちの前を笑顔で駆け抜けていたのだろう。しかしあまりそのような記憶は無く、思うに準備やオープニングイベントでそれどころではなく、知らず知らずのうちに見逃していたんだろうと思う。
この1年はあっという間で早かったようにも思うし、やっと1年が経ったかとも思う。時間の感覚は麻痺している。色んなことがあったためだろうか。宿泊のこと、カフェのこと、NAWATEのこと、イベント、商店街、ヘルパースタッフ、全てがトライアンドエラーの連続で、本当に何度も何度も野口さんと話し合いが持たれた。それは深夜までだったり、何日にも渡ってだったりもした。僕らは右も左も分からないままこの仕事が始めて、それでも少しでも前に進もうとしていたし、少しずつでも前に進んでいると信じている。ラウンジのレイアウトが度々変わったのは、そういう改善が繰り返されているといういい例だと思う。
友人のひとりは、僕のやっていることはすごいことだと言ってくれた。でも果たしてすごいことなのかは全くもって自信がない。毎日やっていることといえばとても地味だし、とても小さいことばかりだ。それでも少しずつ溜まってきた宿泊者名簿なんかを見るたび感慨深くなる。全く見ず知らずのお客さんが遠方から来てくれ、泊まり、中には話をし、そしてまた泊まり来てくれたり、いやそれだけじゃない、コーヒーやビールを飲みにふらっと寄ってくれる近所の人たち、名簿には載っていないそんな人たちもいる。色んな人がこの1年で来てくれたということは、とてもすごいことなんだろう。
冬が過ぎ、春を経て夏を迎え、中庭の芝生には緑色が戻ってきた。一部で芝生が禿げ上がり、残った芝生もどんどん茶色く変色した時にはもうこいつらダメなんじゃないかと思っていたが、それもこれも杞憂だった。露出した土にもまた再び芝生が侵食を始め、ご神木と呼んでいるマキノキのふもとや、エアコンの室外機の脇に植わった植物(名前は失念)も、その生命力を旺盛に天高く成長を続けている。
最近では日記読んでるよー、と言われるようになってきた。更新をサボらないようにしないと。真面目か!と言われたりもするこの日記でも、読んでくれている人がいてくれるのであれば続けたい。来年も再来年も、7月6日にまつわる記事を書くことが出来るように、日記もそうだけど、本業であるとりいくぐるを頑張っていきます。とりあえずは今月末、7月26日と27日、一周年イベントを開催しますので、ぜひ遊びに来てください。
2014年7月 6日
とりいくぐる、オープンして1年が経ちました
本日2014年7月6日で、とりいくぐるはオープンから1年になりました。
まず、今日まで泊まりに来てくれた皆さん、皆さんのおかげでなんとか1年やっていくことができました。
数えてみればあまりにも途方もない人数、本当にそんなにたくさんの人が泊まっていったのだろうかと思うほどです。
僕の記憶がひどく曖昧なことを「夢のような日々」と言ってしまうのが適切かどうかはよくわかりませんが、この1年は本当に現実にあったことなのだろうかと振り返れば呆然としてしまうほどの、出会いと思い出の数々です。
本当にありがとうございました。
また、泊まらずとも普段ラウンジに遊びに来てくれる皆さん、数ある中よりうちを選んでイベントを行ったり関わったりしてくれた皆さん、遊びに来れなくても遠方より応援してくださる皆さん、応援などと具体的な形でなくてもなんかいい感じじゃんと心の中で思ってくれてる皆さん、同じくらいにありがとうございました。そうやって、四方八方、見えない死角から矢継ぎ早に飛ばされてくる好意が、僕らを追い立て、励まし、奮い立たせてきてくれました。
そしてこれまで一緒にとりいくぐるをやってくれた7名のヘルパースタッフさん、ありがとう。
今働いてくれている2名のヘルパースタッフさん、引き続きよろしく。
とりいくぐるが入っているNAWATEで一緒に入居している皆さん、NAWATEを作る時から関わってくれている皆さん、どうにか一緒に1年やることができました。まだまだですが、ここから見える景色というのは、たった1年だとしても、なかなかに感慨深いものです。
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オープンから1年の今日はとりいくぐるにとって(いつもの日曜日と言った感じの)大変に静かな一日でした。
空は暗くなり雨音ばかり強くなって、かけている音楽もなんだか聴きづらい。そんな雨が延々と降っていた一日。
特別にパーティとかやるキャラクターでもないので、何もイベントなどを企画せずにいたら、本当に何もない一日になってしまった、みたいな感じです。
ただ、夕方にいつものように松田さんがやってきて、今日は祝いだと缶ビールと手料理を差し入れてくれたものだから、いつものメンツでビールを飲んで、遠方からのゲストも一緒に入れ替わり立ち替わり輪に加わって、はあ、楽しかったなあ、なんて。結局パーティというほどの派手さもないけれど、それなりにちゃんと楽しくまとまったじゃないか、というささやかな夜になりました。
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鳥取の手作り雑貨屋『山ニ鳥』さんより、祝いとして鳥居のブローチを携えたキツネのぬいぐるみを2体いただきました。これはぬいぐるみ作家のKyoronさんの作品で、オープンの時にも1体いただいたものです。Kyoronさんというのはまだ一度もお会いしたこともない方で、そういった方が、僕らを祝うためにぬいぐるみを丁寧に作ってくださる、というのはとても不思議な気持ちがします。
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TwitterやFacebookでとりいくぐる1周年を祝ってくれた皆さんもありがとう。
うかぶLLCのみやけさんよりSMSでいただいたメッセージは「生き残るぞー」と締められていました。
そう、とりあえず我々、生き残るぞー、そんな気分なんですわ。
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以上、あまりにも取り留めがないテキスト、それはさっきすすんで自らビールをたっぷり飲んだからなのだけど、1年経ったことについて、焦りもあるけど決して悪い気はしないし、こうやって祝ってくれる人達がいたことを確認できる機会となったことをうれしく思います。ありがとうございました。
さて、そろそろ7月7日です。
(野口)